IgGアレルギー検査とは?IgEとの違いやメリット・デメリットを解説

IgGアレルギー検査とは?IgEとの違いやメリット・デメリットを解説

近年、健康意識の高まりとともに注目を集めているIgGアレルギー検査。従来のアレルギー検査(IgE検査)ではわからない、遅延型アレルギーの可能性を調べる検査として、関心を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、IgGアレルギー検査について、その定義から種類、信頼性、メリット・デメリット、そして東京で受診できる病院・クリニックの情報まで詳しく解説していきます。

IgGアレルギー検査とは?

IgGアレルギー検査は、血液中のIgG抗体量を測定して、特定の食品に対する遅延型アレルギー反応を調べる検査です。IgGアレルギー検査は、食べ物が原因で引き起こされる症状に悩む人にとって役立ちます。遅延型アレルギー反応は、摂取後すぐに症状が現れるIgE依存性食物アレルギーとは異なります。

IgG依存性食物反応では、倦怠感、体重増加、皮膚の発疹、関節痛、頭痛、消化器症状など、多岐にわたる症状が現れることがあります。症状の発現には数時間から数日かかる場合があるのも特徴です。

IgG抗体(免疫グロブリンG)は、血液中で最も多く存在する免疫グロブリンであり、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を認識して排除する働きを担っています。食物アレルギーでは、このIgG抗体が特定の食品に過剰に反応し、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。

従来のアレルギー検査(IgE検査)との違い

従来のアレルギー検査(IgE検査)は、即時型アレルギーを調べるための検査です。即時型アレルギーでは、アレルゲンとなる食品を摂取してから数分から数時間以内に、じんましんや呼吸困難などの症状が現れます。

一方、IgGアレルギー検査で調べる遅延型アレルギーは、摂取後に症状が現れるまで数時間から数日かかるのが特徴です。この遅延型アレルギーでは、頭痛、疲労感、肌荒れなどの比較的軽い症状がみられることがあります。そのため、症状の原因となる食品を特定するのが難しく、「隠れアレルギー」とも呼ばれています。

IgGアレルギー検査で何がわかるのか?

IgGアレルギー検査では、数百種類の食品に対するIgG抗体の量を測定し、遅延型アレルギー反応を引き起こす可能性のある食品を特定する手がかりを得られます。

検査結果を参考に、医師の指導のもとで特定の食品を一定期間除去し、症状の変化を観察することで、アレルギーの原因をさらに詳しく特定することができます。

IgGアレルギー検査の種類

IgGアレルギー検査は、主に検査対象となる食品の数によって種類が分けられます。

セミパネル(120項目)

日本人の食生活でよく摂取される食品を中心に、約120種類の食品に対するIgG抗体を調べます。

フルパネル(219項目)

セミパネルよりも対象が広く、約219種類の食品に対するIgG抗体を調べます。

検査項目は医療機関によって異なる場合があり、より多くの項目を検査できるものや、特定の食品群に特化した検査などもあります。IgGには、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4を含むいくつかのサブクラスがあります。

検査方法と費用

IgGアレルギー検査は、少量の採血で実施します。

採取した血液は検査機関に送られ、IgG抗体の量を測定します。費用は、検査項目数や医療機関によって異なりますが、一般的には3万円から7万円程度です。

項目費用(税込)医療機関
IgG 食物過敏症セミパネル(120項目)39,000円Iクリニック飯田橋
IgG 食物過敏症フルパネル(219項目)50,000円Iクリニック飯田橋
IgG スタンダード・フードパネル 120種類49,500円(初診料込)
*結果説明時に再診料3,300円が別途かかります。
ドクターズジム
IgG スタンダード・フードパネル 219種類60,500円(初診料込)
*結果説明時に再診料3,300円が別途かかります。
ドクターズジム
IgG フードアレルギー検査(120項目)44,000円きんしちょう駅前クリニック
IgG フードアレルギー検査(219項目)55,000円きんしちょう駅前クリニック
IgGフードアレルギー検査(120項目)35,280円
*別途、診察料がかかります
水道橋内科クリニック
IgGフードアレルギー検査(219項目)50,040円
*別途、診察料がかかります
水道橋内科クリニック
フードアレルギーテスト74,360円松倉クリニック表参道
ミニパネル-48項目28,500円二子玉川ファミリー皮ふ科
ジャパニーズフード パネルⅠ-120項目42,000円二子玉川ファミリー皮ふ科
ジャパニーズフード パネルⅡ-144項目50,000円二子玉川ファミリー皮ふ科
ジャパニーズフード パネルⅣ-240項目55,500円二子玉川ファミリー皮ふ科
IgG食物アレルギー検査セミ46,200円麹町皮ふ科・形成外科クリニック
IgG食物アレルギー検査フル63,800円麹町皮ふ科・形成外科クリニック

結果の解釈

IgGアレルギー検査の結果は、各食品に対するIgG抗体の量を数値やグラフで示した形式が一般的です。数値が高いほど、その食品に対するIgG抗体が多く、遅延型アレルギー反応を起こしやすい可能性があるため、注意が必要です。

ただし、IgG抗体は食物アレルギーのない人にも存在するため、検査結果だけでアレルギーと断定することはできません。また、検査結果で高値を示す食品が多数ある場合、それらすべてが症状の原因であるとは限りません。

参考データとして、IgE抗体が陰性の方の90〜95%のうち、70〜85%がIgG抗体で陽性とされています。このため、検査結果をもとに、医師の診察やアドバイスを受けながら判断することが重要です。

IgGアレルギー検査の信頼性

IgGアレルギー検査は近年注目を集めていますが、その信頼性については議論の余地があります。

医学的な根拠と専門家の意見

日本アレルギー学会は、IgG抗体検査を食物アレルギーの診断に用いることを公式に否定しています。その理由として、以下の点が挙げられます。

  • IgG抗体は食物アレルギーのない人にも検出される。
  • IgG抗体のレベルは食物の摂取量に比例するだけで、アレルギー反応と必ずしも一致しない。

IgGアレルギー検査については、専門家の間でも意見が分かれています。

検査を推奨しない専門家は、IgG抗体検査には医学的根拠が乏しく、不必要な食事制限による健康被害のリスクがあると指摘しています。

一方で、検査を実施している医療機関は、IgE検査では特定できない潜在的なアレルギーの発見に役立つ場合があると主張しています。

IgGアレルギー検査における注意点

IgGアレルギー検査を受ける際は、以下の点に注意することが重要です。

  • 検査の位置づけ:IgG抗体検査はアレルギー診断の補助的な検査であり、結果だけでアレルギーと断定することはできません。
  • 自己判断を避ける:検査結果を参考に、自己判断で極端な食事制限を行うことは避け、必ず医師の診察やアドバイスを受けましょう。
  • 医療機関とサポート体制の確認:検査を受ける医療機関の信頼性や、検査後のサポート体制を事前に確認しましょう。
  • 検査精度について:一部の検査機関では、精度を高めるために二重検査を実施している場合があります。
  • 服用中の薬剤への注意:経口・鼻腔内コルチコステロイド(プレドニゾン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、トリアムシノロンなど)や、局所コルチゾン製剤(クリーム剤など)は抗体検査の結果に影響を与える可能性があります。服用中の方は、検査前に医師または薬剤師に相談してください。

IgGアレルギー検査のメリットとデメリット

IgGアレルギー検査にはいくつかのメリットがあります。この検査では、遅延型アレルギーの可能性を調べることができ、原因不明の慢性的な不調の原因を探る手がかりになる場合があります。

また、食生活を見直すきっかけとしても活用できます。特に、IgEアレルギー検査で陰性だった場合でも、IgGアレルギー検査が補完的な役割を果たす可能性があります。

さらに、IgG抗体のレベルは変化することがあり、腸内環境を改善することで、将来的に一度除去した食品を再摂取できるようになる可能性も考えられます。

一方で、デメリットもあります。IgGアレルギー検査には医学的な根拠が十分に確立されておらず、結果を誤って解釈することで不必要な食事制限を行うリスクがあります。また、検査費用が高額であることも負担になる点です。

東京でIgGアレルギー検査を受けられる病院・クリニック

東京には、IgGアレルギー検査を実施している病院・クリニックが数多くあります。以下に、いくつか例を挙げます。

医療機関名住所アクセス費用評判
ドクターズジム東京都渋谷区恵比寿西1-10-10
恵比寿サウスワン1F
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン「恵比寿駅」西口より徒歩3分IgG スタンダード・フードパネル 120種類:49,500円(税込/初診料込)
IgG スタンダード・フードパネル 219種類:60,500円(税込/初診料込)
結果説明時に再診料3,300円が別途かかります。
アンチエイジングに特化したクリニックとして、遅延型アレルギー検査を含む様々な検査を提供しています。
水道橋内科クリニック東京都千代田区三崎町2-22-18
水道橋ロイヤルマンション102
JR中央・総武線「水道橋駅」東口より徒歩1分
都営三田線「水道橋駅」A1出口より徒歩3分
IgGフードアレルギー検査(120項目):35,280円(税込)
IgGフードアレルギー検査(219項目):50,040円(税込)
*別途、診察料がかかります
内科、呼吸器内科、アレルギー科として、地域住民の健康をサポート。
きんしちょう駅前クリニック東京都墨田区江東橋3-13-6
錦糸町プラザビル2F
JR総武線・総武線快速「錦糸町駅」北口より徒歩1分
東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」3番出口より徒歩1分
IgG フードアレルギー検査(120項目):44,000円(税込)
IgG フードアレルギー検査(219項目):55,000円(税込)
駅近でアクセス良好。幅広い診療科目に対応。
Iクリニック飯田橋東京都千代田区飯田橋4-8-13
山商ビル3F
JR総武線「飯田橋駅」西口より徒歩1分
東京メトロ東西線・有楽町線・南北線「飯田橋駅」B2a出口より徒歩1分
IgG 食物過敏症セミパネル(120項目):39,000円(税込)
IgG 食物過敏症フルパネル(219項目):50,000円(税込)
女性医師による丁寧な診療が評判。
二子玉川ファミリー皮ふ科東京都世田谷区玉川3-17-1
柳小路錦町ビル3F
東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」より徒歩3分ミニパネル-48項目:28,500円(税込)
ジャパニーズフード パネルⅠ-120項目:42,000円(税込)
ジャパニーズフード パネルⅡ-144項目:50,000円(税込)
ジャパニーズフード パネルⅣ-240項目:55,500円(税込)
皮膚科専門医によるアレルギー診療。

IgGアレルギー検査は、これらのクリニック以外でも多くの医療機関で受けられます。検査を受ける際は、費用、評判、アクセスの良さなどを考慮して、自分に合ったクリニックを選びましょう。

まとめ

IgGアレルギー検査は、遅延型アレルギーの可能性を調べる方法として注目されていますが、その信頼性については議論が続いており、医学界では確立された診断方法とはみなされていません。そのため、検査を受ける際には、メリットやデメリット、注意点を十分に理解しておくことが重要です。

この検査は、原因不明の不調を探る糸口として活用できる可能性がありますが、結果を過信しすぎないよう注意が必要です。また、IgG抗体はセリアック病や他の炎症性過敏状態でも上昇することが知られており、IgM抗体の濃度上昇と合わせて観察される場合もあります。さらに、遅延型アレルギー検査はリーキーガット症候群(腸もれ)に関連する検査としても知られており、検査結果を解釈する際には腸内環境の状態を考慮することが求められます。

検査を受ける際は、信頼できる医療機関を選び、医師の診察やアドバイスを受けることが大切です。医療機関によっては検査結果の解釈や、その後の指導内容が異なる場合があるため、事前にしっかりと情報収集を行い、自分に合った医療機関を選びましょう。